危険木・支障木の特殊伐採・治療、社寺境内整備のことなら株式会社山二へ

会社案内

お問い合わせ

logo

ホーム

山二の特徴

施工例

実績事例

作業流れ

 
 

*はじめに

*現状

*治療

*環境保全

*おわりに

はじめに

はじめに
石割梅は、盛岡市天神町にある盛岡天満宮の境内にある。梅は、太宰府天満宮の「飛び梅」にちなんで天神さんとは縁が深く、しかも、この梅は岩の割れ目から生えていることから「石割梅」として大切に保存されてきた。
しかし、石の割れ目という土壌環境、南側に近接する大木群の樹冠下という光環境のもとに生育しており、その保存対策が求められていた。
筆者は、平成13年以来この樹木の診断、治療、環境改善にかかわってきたが、本報告では、平成23年7月に実施した内容について報告する。
報告するに当り、ご指導をいただくとともに、傷口治療にご協力いただいた神山安生樹木医に感謝申し上げる。

写真1 境内の南側の一角にある
写真1 境内の南側の一角にある

保全・治療
写真3 数本の大木の樹冠下に位置する

写真2 大きな花崗岩の割れ目に生育する
写真2 大きな花崗岩の割れ目に生育する

現状

現状

治療

2.治 療
(1)傷の治療
大きな空洞は、腐朽部分と残碎を取り除き、ヒバ油による殺菌をし、乾燥を待って木固め剤を塗布した。空洞内が乾燥状態であったことから、詰め物などによる雨水の侵入防止処置は実施しなかった。
中小の傷についても同様の処置をした。

治療

治療

治療

写真22 腐朽部の除去

写真23 残碎の清掃

写真24 木固め剤の塗布

治療

治療

治療

写真25 大傷の治療

写真26 空洞の治療

写真27 穴の治療

(2)枝の処理
残枝、枯れ枝、極端に衰弱した枝は、腐朽の侵入・拡大を防止するため切り落とした。
切り落とすに当っては、切り口の巻き込みを容易にするため、付根の膨らみを残した。

治療

治療

治療

写真28 枝と付け根の処理

写真29 枝の処理

写真30 枝の処理

環境保全

(1)割れ目の処置
岩の割れ目には、以前に施された腐葉土に生えていた梅の若木や雑草を抜き、新たに腐葉土を投入して均し固め、両端の土留め石の補充と整形をした。

環境保全

環境保全

環境保全

写真31 腐葉土の投入

写真32 腐葉土の均固め

写真33 土留め石の補充・整形

(2)支柱の補修
支柱は、劣化した材料を交換するとともに、積雪による重さに耐えるように位置を調整し、幹当てを充分厚くして結束部を固く締めた。

環境保全

環境保全

環境保全

写真34 結束部(補修前)

写真35 結束部

写真36 補修完了

(3)近接木の枝おろし
石割梅は、樹高20mを超すスギ、ケヤキ、チヨウセンゴヨウの大木群の樹冠下に位置していることから、日照不足の状態で衰弱していた。
境内の南側にある大木群は神社の景観上重要な要素であり、伐採することはできない。したがって、石割梅を健全に保持するためには、日照を遮っている大木群の枝を伐り落とす必要があった。
一方、石割梅が大木群の直下に位置し、近くには灯篭やトイレがあること、伐り落とすべき枝の多くが地上10m以上の高さにあることから、枝伐り作業には、作業員の安全、伐り取った枝の石割梅や構造物への落下防止に細心の注意をはらった。
作業には、8mの梯子、6.3mの長い柄の鋸、ロープ、安全ベルトを使い、作業班の持つ高所作業、特殊伐採などの高度な技術を駆使して行われた。

環境保全

環境保全

環境保全

写真37 枝伐り(ケヤキ)

写真38 枝伐り(トイレ上)

写真39 枝伐り(隣接スギ)

作業後、大木群によって遮られていた空間(写真41)が開けて、南からの日光が差し込むようになった(写真42)。
しかし、境内全体が明るくなったものの、石割梅の樹冠に対して直接日光が当ることはなく(写真42、43)反射光に期待するしかない状態である。

環境保全

環境保全

写真40 作業前

写真41 作業後

環境保全

環境保全

写真42 日陰となっている樹冠

写真43 日陰となっている樹冠

おわりに

4.おわりに

この石割梅は、10年前には、近接する大木群による被陰によって衰弱状態になり、幹上部や枝の枯れ、幹の腐朽が発生していたと推定される。現在のような支柱で支えられている樹形は、上部を塞がれた状態で、スペースが開けている北向きの枝のみが成長を続けた結果形成されたと考えられる。
平成14年4月と15年4月に実施された近接木の枝伐りによって、幹上部のスペースが開らけるとともに被陰が解消され、上部に新たに枝数本が発生して樹冠が形成された。これらの枝は、直立した主幹の頂端部に位置し、順調に生長すれば根元からまっすぐ伸びて、全体がバランスの取れた樹形に回復する可能性を持っている。
今回の枝伐りによって、前回の枝伐り後に再生・繁茂した枝を除去したことにより、再びスペースと日光を得て、これらの若枝の成長が維持されるともの期待される。また、新たな樹冠の発達に伴って木の活力が強まり、幹に生じた傷の回復も促進されるであろう。
今後、この石割梅を境内の景観と調和させながら保続するためには、このような手入れを継続する必要があると考えられる。

最後に、この報告をまとめるに当り、ご協力をいただいた佐藤平典樹木医に心からの感謝を申し上げる。

株式会社 山二

フリーダイヤル

樹木の豆知識

樹木の豆知識

盛岡天満宮の 石割梅の保全・治療

メニュー

ホーム

山二の特徴

施工例

実績事例

ご注文の流れ

作業の流れ

会社案内

お問い合わせ